PROJECT STORY

ゲストとホテルの
新しい関係価値をつくり、
東京のカルチャーを
発信するホテルへ。

INTRODUCTION

日本ホテルは、JR東日本グループによる
新しい街づくりと連携し、
他に類をみないホテルを立ち上げ、
運営している。
2020年4月27日、東京・竹芝に誕生した
「メズム東京、オートグラフ コレクション
(以下、メズム東京)」。
"唯一無二"のホテルとして、
数々のラグジュアリーホテルを展開する
「マリオット・インターナショナル」の
ブランドの一つ
「オートグラフ コレクション ホテル」に
加盟しています。
その総支配人を務める生沼 久に、
日本のホスピタリティを世界に発信する
モダンラグジュアリーホテル、
メズム東京のサービスやホテル運営についての
こだわりを発信してもらう。

PROFILE

PROFILE

メズム東京、オートグラフ
コレクション 総支配人

生沼 久Hisashi Oinuma

1994年、ウェスティンホテル東京の開業メンバーとしてホテリエの道を歩み始め、宿泊部と経理部でマネジメントを担当。2008年にシェラトン・グランデ・トーキョーベイでフロントオフィスマネージャー、2010年にはシェラトングランドホテル広島の開業準備室PM、その後宿泊部長、副総支配人を歴任。2017年、モクシー東京錦糸町の初代総支配人に就任。2018年、日本ホテルに入社し、竹芝開業準備室長を経て2019年に執行役員、同年現職に就任。2023年より東海大学観光学部の客員教授を務める。

1994年、ウェスティンホテル東京の開業メンバーとしてホテリエの道を歩み始め、宿泊部と経理部でマネジメントを担当。2008年にシェラトン・グランデ・トーキョーベイでフロントオフィスマネージャー、2010年にはシェラトングランドホテル広島の開業準備室PM、その後宿泊部長、副総支配人を歴任。2017年、モクシー東京錦糸町の初代総支配人に就任。2018年、日本ホテルに入社し、竹芝開業準備室長を経て2019年に執行役員、同年現職に就任。2023年より東海大学観光学部の客員教授を務める。

世界から訪れる
ゲストを魅了する

近年、世界のホテル市場では個性が重視される傾向が高まり、特にラグジュアリーホテルでは、グローバルブランドが独自性を競い合っている。こうした潮流の中、日本発のモダンラグジュアリーホテルとして誕生したのが、2020年4月開業のメズム東京だ。そのブランドコンセプトは“TOKYO WAVES”――伝統と革新が交差し、絶えず変化する国際都市・東京の波動と共鳴するホテルである。
メズム東京の運営責任者である生沼は、東京の魅力について次のように語る。 「東京は、日本人が思う以上に洗練された都市です。世界中の良質な文化が集まるだけでなく、ハイブランドとファストブランドを自在に組み合わせる独自のライフスタイルも、海外の方にとっては非常に新鮮に映ります。そんな東京の個性を体現し、唯一無二の目的地となるホテルを目指しました。」

メズム東京のアイデンティティは、まさにその唯一無二の体験にある。同ホテルが加盟する「オートグラフ コレクション」は、マリオット・インターナショナルが展開する独創的なホテル群であり、各施設が独自のデザインやコンセプトを持つ。メズム東京の象徴の一つが、全客室に設置されたデジタルピアノだ。滞在中、偶然ピアノに触れたゲストが新たな才能を発見することもある。例えば、ピアノに縁のなかった宿泊客が「ハッピーバースデー」を弾いて家族を驚かせたり、子どもがピアノに興味を持ち、本格的に習い始めたりと、ホテルでの体験が新しいストーリーを生み出している。

さらに、館内には料理、アート、ファッションなど、五感を刺激する仕掛けが随所に施されており、インディビジュアリスト(滞在中も能動的に行動し、自己成長を求める人々)にインスピレーションを与えている。

働く人が輝き、
成長するホテルに

メズム東京に足を踏み入れると、季節に合わせたオリジナルフレグランスが漂い、浜離宮恩賜庭園や東京湾の美しい眺望が広がる空間に、厳選されたFGM(フォアグラウンドミュージック)が響き渡る。フランス料理をビストロノミースタイルで提供するフレンチダイニング「シェフズ・シアター」では、国内外の著名な国際料理コンクールで優勝経験があるキュリナリーマイスター隈元を筆頭にキュリナリーアーティストたちの技と味を劇場で楽しむように満喫できる。こうした唯一無二を体験できるのは、ゲストだけではない。メズム東京では、そこで働くスタッフもまた主役となる。

生沼は語る。「私たちは、スタッフを“タレント”と呼びます。ホテルはゲストが快適に過ごす場所ですが、その体験を生み出すのはタレントたちの個性と情熱です。メズム東京は、タレント自身が舞台に立つように輝ける場でありたいと考えています。」

この考えを形にしたのが、メズム東京独自の「スターサービス」という組織体制だ。従来のホテル業界における宿泊・飲食といった縦割りの業務分担を廃し、タレント誰もがチェックイン、客室案内、レストラン予約などの業務を行えるようになる。このシステムにより、ゲストはよりスムーズでパーソナルなサービスを受けられるだけでなく、タレント自身も多様なスキルを習得し、成長の機会を得ることができる。
スターサービスには二つの意味が込められている。一つは、タレントが輝き、ゲストを魅了する「スター」となること。もう一つは、空に浮かぶ星のように、常にゲストに寄り添う存在であることだ。

生沼は続ける。「この仕組みは、ゲストだけでなく、タレント自身にとっても大きな価値があります。宿泊や飲食、宴会などの枠を超えて経験を積むことで、ホテリエとしての引き出しが増え、高い視座を身につけることにより人間的な成長にもつながります。」
メズム東京では、総支配人である生沼のもと、リーダー層が主体となり、各タレントが自らの個性を活かしながら成長できる体系的なトレーニングを実施している。この新たな組織モデルは、ラグジュアリーホテルの未来を切り拓く指針として、業界内で高く評価されている。
「スターサービスのコンセプトは、日本の伝統的な旅館文化にも通じます。ただし、ラグジュアリーホテルの分野で、一定規模の施設として、しっかりとした人材・組織マネジメントのもとで実現している例はありません。この取り組みの価値が広く認識され始め、私たちへの問い合わせも増えています」と生沼は手応えを語る。

かつてない
モダンラグジュアリー、
その先へ

「目指すのは、体験価値のあるホテルです」と生沼は言う。「人は記憶を上書きします。どんなに豪華な設備のホテルでも、より華やかな場所に滞在すれば、その印象は薄れがちです。しかし、心を動かす体験は決して忘れられません。特別な言葉をかけられた、思いやりのある対応を受けた、そんな記憶はいつまでも残り続けます。」

2025年春、東京・竹芝。理想とする「体験価値のあるホテル」を目指し、生沼率いるメズム東京は新たな挑戦を続けている。「日本ホテルは、東京ステーションホテル、ホテルメトロポリタン、ホテルメッツなど、実績あるブランドを擁しています。しかし、ライフスタイルや価値観が変化する中、私たちは既存ブランドを常にアップデートし、さらに街づくりの視点から新たなブランド創出にも挑戦していきます。」

多様なホテルブランドを展開し、新たな価値を生み出す日本ホテル。そのフィールドは、これからのホスピタリティを担う若きプレイヤーたちにとって、無限の可能性を秘めている。

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